繊細で傷つきやすいHSPの人が社会のためにできること
「会社でうまく馴染めず、仕事が続かない」
「すぐにストレスを受けて疲れてしまう」
日頃からこうした悩みが強い人は、HSPである可能性があります。
HSP(Highly Sensitive Person)とは、生まれつき視覚や聴覚といった感覚が敏感で、ストレスを感じやすい特性を持つ人のことです。内向的な性格のため、社会で上手く活躍できない悩みを抱えている人が多く見られます。
「自分は社会に必要とされていないのではないか・・・・・・」とネガティブに悩み込むことも少なくありません。
繊細で傷つきやすいHSPの人が、自分の状態を知り、感受性や敏感な気質で社会で活躍するにはどうすればいいのでしょうか。
そこでこの記事では、HSPの特徴やメリットに触れた上で、社会で活躍できる方法を紹介します。
Contents
HSPの人が「社会不適合者」だと感じやすいのはなぜ?
HSPの人は、自分自身で「私は社会に馴染めない」と強く感じています。周囲の人たちと同じように仕事や家事、遊びや趣味をこなせないため、「社会不適合者」と思ってしまうからです。
非常に感受性が強く敏感な気質の人が社会に出ると、次のような体験は日常生活のあるあるです。
- 新しい職場の仕事や人間関係に馴染めない
- 一日8時間働いても残業しているような疲労感がある
- いざという時に踏ん張りが効かない
- 仕事のミスが多い
- テキパキと物事を片付けられない
「なぜ職場の人たちはあんなに疲れず仕事ができるのだろう」
周囲の刺激やストレスの影響を受けやすいHSPの人は、事あるごとに周りの人たちと自分を比べてしまいます。そのため、コンプレックスが大きくなって「社会不適合者」というレッテルを自分で貼ってしまいます。
HSPが抱える4つの苦手なこと
ここからは、HSPの人が生きづらさを感じてしまう苦手なことを4つ紹介します。
- 物事を深く考えすぎる
- ストレスに反応しやすく疲れやすい
- 相手や周囲の空気に影響されやすい
- 変化に敏感で不安感が強い
とくに2番目の「ストレスに反応しやすく疲れやすい」は、HSPの人が日常生活で大きな課題になっている点です。
以下で、詳しく見ていきましょう。
物事を深く考えすぎる
些細なことでも、あらゆる角度や深さから物事を考えすぎてしまいます。そのため、考えが堂々巡りになって、頭がパニックになったり、鬱傾向になったりすることもしばしばです。
ストレスに反応しやすく疲れやすい
他の人と同じ仕事をしても、体力や気力が続かずすぐに疲れてしまいます。また、ちょっとしたトラブルやハプニングにもあたふたしてしまって、元気がなくなることが多いです。
相手や周囲の空気に影響されやすい
対人関係において相手の気持ちを感じ取りやすいので、相手の気持ちやペースに合わせた行動を取りがちです。また、その場の空気の変化に敏感で、自分とは直接関係がなくても動揺したり、不安を感じたりしてしまいます。
変化に敏感で不安感が強い
人や物事のちょっとした変化にすぐ気づいてしまうため、いつもと違う様子に不安や心配を感じます。慎重さが強くなると、トラブルを先読みして仕事や予定の変更やキャンセルをしてしまうことも珍しくありません。
このように、HSPの人は社会の多くの人たちが当たり前と思っている生活のあらゆるシーンで、さまざまな問題を抱えながら生活しています。
HSPだから持っている4つのメリット
感受性の強さで生きづらさを感じやすいHSPですが、次のようなメリットを持っています。
- 物事を深くさまざまな角度から考えられる
- 共感力が高くて相手の気持ちがわかる
- 周囲への気配りが得意
- ちょっとした変化に気づく
とくに、2番目の「共感力が高くて相手の気持ちがわかる」といった点は、人々のお世話やサポートに役立つ素晴らしいメリットです。
では、具体的に見ていきましょう。
物事を深くさまざまな角度から考えられる
ひとつのことを色々な角度やレベルから考えて、思考を深めることが得意です。また、想像力も豊かなので、ちょっとした情報からさまざまな思いを巡らせたり、文学や芸術のジャンルで才能を発揮したりします。
共感力が高くて相手の気持ちがわかる
相手のちょっとした表情やしぐさを読み取って、感情や考えを理解できます。他人の問題を自分のことのように考えられるので、ボランティア精神が豊かで世話好きな人が多いのもHSPの傾向です。
周囲への気配りが得意
その場の空気やグループの変化に気づきやすいため、状況に合わせた気配りが上手です。周囲の音や温度、匂いや明るさなどに敏感なので、周りの人を気遣って、エアコンを調節したり、窓を閉めたりといったケアにもすぐれています。
ちょっとした変化に気づく
いつもと違う服装をしたり、少し髪を切ったりといった、他の人のちょっとした変化にすぐ気づきます。観察力が高く、相手と心の交流をするきっかけをつかむのが得意です。
このように、HSPが持つ極端な感受性や敏感さは、日常生活でのコミュニケーションに役立つ素晴らしい特質です。
HSPの共感力や想像力で社会で活躍できる3つの仕事
HSPの人は、内向的でなかなか外の世界にチャレンジできないと悩んでいることが少なくありません。しかし、仕事によっては、一般の人以上に高い評価を受けるケースがあります。
とくに以下で紹介する4つの仕事は、HSPの性質を生かして社会に貢献できるおすすめの仕事です。
高齢者やこども、動物をケアする仕事
共感力が高く、弱者に寄り添う気持ちが強いHSPの人は、お年寄りやこどもたち、ペットや動物のお世話をする仕事が向いています。
例えば、介護の仕事では、年齢とともに心身機能が低下した高齢者の日常生活のサポートが中心です。老人ホームやデイサービスの介護スタッフは、食事やトイレ、移動などの手助けをします。介護スタッフに仕事のやりがいを聞くと、サポートをしたときに相手から「ありがとう」と言われると仕事の疲れが吹き飛ぶといった声にあふれています。
一緒に遊んで話し相手になってあげたり、心の触れ合いに喜びを感じながら楽しく仕事ができるでしょう。
また、こどもや動物など、自分の思いを上手く伝えられない存在のケアをする仕事もHSPの人にぴったりです。相手の些細な変化をキャッチして、今必要としていることを先回りしてサポートができるからです。
介護職や保育士、ペットトリマーといった仕事は、HSPの高い共感力を発揮できます。
在宅ワークができるITやWEBの仕事
自宅で自分のペースで仕事ができるITやWEBの仕事もHSPの人に向いています。会社に通勤して仕事をすると、相手から言われたちょっとした言葉に傷ついたり、職場の流れに合わせて心身が疲れたりしやすいものです。リモートワークを取り入れる会社が増えている今、ITやWEBのジャンルをはじめさまざまな仕事で在宅ワークが進んでいます。
通勤がなく、自分のペースで時間や作業を配分できる在宅ワークなら、ストレスを感じやすいHSPの人がしっかり活躍できるでしょう。
自分のペースで作業ができる仕事
工場の製造ラインや一人で細かな作業を続ける仕事などもHSP向きの仕事です。接客や営業をはじめ人とのコミュニケーションやチームワークが必要な仕事は、極端な感受性や敏感さのため仕事が上手くこなせなかったり、心身が疲れてしまったりしがちです。
自分の時間感覚や作業ペースを守れて、淡々と作業ができる仕事を見つけましょう。
スピリチュアルカウンセラーの仕事
HSPの人は直感にすぐれていて、スピリチュアルや見えない世界に興味や関心を持っています。すぐれた共感力で相手の課題を把握して問題解決のアドバイスをしたり、霊感を使って相手をヒーリングしたりするスピリチュアル関連の仕事で高い能力を発揮している人は少なくありません。
「心の時代」といわれる現代は、ますますスピリチュアルな分野に興味を持つ人が増えています。感覚が敏感で社会で生きづらさを感じてきたHSPの経験は、きっと同じような悩みを抱えるHSPの人たちに共感を得られるでしょう。
そして、さまざまな人の悩みを「すぐれた共感力」でサポートできるスピリチュアルカウンセラーは、HSPの才能を社会で十二分に発揮する喜びを感じられる職業といえます。
まとめ:HSPのメリットを生かして社会のために活動しよう
高い共感力と敏感さのため、時には生きづらいと感じているHSPの人も、強みを生かせる仕事を選べば社会のために思わぬかたちで高い能力を発揮することができます。
「繊細で傷つきやすいから社会に出るのは心配」と思っているなら、ぜひ相手の心に寄り添うケアの仕事やスピリチュアルなジャンルに絞って仕事選びをしてみてください。
とくに、スピリチュアルカウンセラーの仕事は、HSPの能力で相手の心に寄り添いながらメンタル的なサポートができるので、HSPには大変おすすめの職業です。
ぜひここで紹介したHSPのメリットに気づいて、社会のためになる活動の第一歩を踏み出しましょう。